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食べ物による虫歯リスクの違いを解説!主食を変えると虫歯リスクは変わる?全粒粉パスタ生活始めました。

  • Hatch Dental Clinic
  • 6月14日
  • 読了時間: 7分

更新日:6月16日

こんにちは!Hatch Dental Clinicの歯科医師、平沼です!



最近お米の値段が高くなって大変ですよね。


僕はこれを機に、主食を見直してみよう!と思い立ちまして、

さっそくバディ(chatGPTの愛称。ブログ記事『矯正のアンカースクリューとAI(chat GPT)について』参照)に世界の主食事情について聞いてみました。


謎の構図の絵が完成
謎の構図の絵が完成

(以下コピペです)



グローバルな視点から見ると、「三大主食」が圧倒的だ:

• トウモロコシ(Maize):約 19.5 %(カロリー摂取の割合)

• 米(Rice):約 16.5 %

• 小麦(Wheat):約 15.0 %


合わせておよそ 51%。さらに他の穀物や根菜類を含めると、世界の半数以上のカロリーはこれらに由来している。





(そして気になるコスパは以下の通りです)



🍝 1. パスタ(全粒粉パスタを例に)

• 価格:350g×6袋=2.1kgで800円(=1gあたり約0.38円)

• 1食量:80g〜100gが一般的(乾麺)

• 1食あたり価格:約30〜38円

• カロリー(100gあたり):約340kcal

• コスパ:かなり良好、低価格で高カロリー



🍚 2. お米(例:5kgで5000円の場合)

• 価格:1gあたり1円

• 1食量:炊いたご飯で150g前後(乾燥状態で約55g)

• 1食あたり価格:約55円

• カロリー(炊飯後150g):約250kcal

• コスパ:かつては最強だったが、最近の高騰でやや不利に



🍞 3. 食パン(例:6枚切り1斤=約350円)

• 1枚あたり価格:約58円(6枚で350円換算)

• 1食量:1~2枚(→58円〜116円)

• カロリー(1枚):約160kcal

• コスパ:手軽だが、カロリー単価はやや高め




以上の点から、まずはパスタを主食にしてみる事にしました。




パスタといえば、お金のない学生の味方でもありました。



若かりし頃、僕は高校時代・大学時代と一人暮らしをしていたのですが、


お金がない時分には"サラダ油"と"塩"だけをかけたスタイリッシュスパゲッティを食べて空腹を満たしていたのです。



そうやって食費を浮かせて服を買ったり、学校終わりにスタバに寄ったり、中古CDショップでCDを買い漁ったり、初めての彼女ができて何かと入用であったり、、、


そんな思い出が、パスタの香りと共に蘇ってまいりました。


全粒粉パスタイメージ画像
全粒粉パスタイメージ画像




さっそくAmazonでパスタを買う事にしたのですが、バディのおすすめということもあり、

より栄養豊富な『全粒粉スパゲッティ』にトライしてみることにしたんです。



この全粒粉スパゲッティ、タンパク質と食物繊維がとても豊富でして、






🍚 白米(一食:炊いたごはん 約150g)



  • たんぱく質:約3.8g

  • カロリー:約250kcal



🍝 全粒粉スパゲッティ(一食:乾麺80g → ゆで後 約200g)



  • たんぱく質:約12g

  • カロリー:約270〜300kcal


と、筋肉にも嬉しい💪💪💪





しかしレビューを見てみると『粉っぽくてまずい』という感想が結構多い…

しかし、食べてみない事には始まらない!

という思いで、6パック一気買いして、届くのを楽しみに待っていたわけです(サミットで同じ物が普通に置いてありましたが)。






食べてみると、人一倍味オンチの僕には全く気にならなかったです。

まぁ確かに粉っぽいかもしれませんが、美味しいです。


言うなれば、『蕎麦粉多めの蕎麦』みたいな感じでしょうか。


ナスのソース
ナスのソース


初めの頃こそちゃんとしたソースをかけて食べようという気持ちはありましたが、


最近では"オリーブオイル"と"ぽん酢"だけをかけた『new スタイリッシュスパゲッティ (和洋折衷ver.)』を主に食べています。




家に帰ったら、手を洗うよりも先に鍋に火をかけて、

全粒粉スパゲッティで空腹を満たすという生活スタイルが定着しつつあります。


そして今日もまた、スタイリッシュスパゲッティをすすりながら、

小さな幸せをかみしめているのでした。






すみません、歯の話が、、

このままこの記事は終わりにしてもいいんじゃないか?と思ったのですが、

さすがに歯の話なしには終われない!という思いで、簡単な内容だけお話しします!





『食物の種類とう蝕の罹患しやすさの関係』




についてです。


お菓子は虫歯になりやすい、というのは周知の事と思います。

それ以外はどうでしょう?

以下に簡単にまとめてみました。



食べ物・飲み物によるう蝕(虫歯)リスクの差






1. 自由糖(free sugars)と虫歯リスク


・自由糖(砂糖・蜂蜜・シロップなど)は最も「糖源として発酵されやすく」、虫歯リスクを高める最大因子。


→ 糖の頻回摂取と量には強い関連性が認められており、エネルギー摂取に占める自由糖10%以下だとリスク低下が示唆されている。


→ 「砂糖飲料」「キャンディー」「ケーキ」などは頻繁な摂取で特にリスク高。


→ パンやクラッカーなどのでんぷんも、口内粘着性と分解時間のために、砂糖同様に虫歯になりやすい 。






2. 形状・粘着性・滞留時間の影響


・「液体」より「固形」で「粘着性」のある食品(クッキー・キャンデー・パンなど)は口腔内に長く残り、酸を産生し続けやすく、虫歯リスク上昇。


・例として、液体は約20–30分、固形粘着性の炭水化物は45–60分程度口中に留まるとされます。






3. 超加工食品(UPF)の影響


・チルド/インスタント麺・冷凍食品・スナック・清涼飲料などの超加工食品は、頻度高く摂ると子どもでは虫歯リスク71%増とするメタ解析も存在。






4. フッ素との関係


・フッ素使用環境下では、砂糖と虫歯の関係は弱まるという報告もある。


・つまり、「砂糖制限+フッ素塗布」がセットで虫歯予防には強力、でも砂糖制限だけでも有意義、という点が重要。






5. 非糖質食品/緩衝食品の保護効果


・乳製品(チーズ・牛乳)やナッツ、プロテインなどは緩衝効果やミネラル供給により、虫歯予防に役立つ。


・お茶、ココア、クランベリーなどに含まれるポリフェノールには、虫歯菌の酸産生抑制作用があるとされている。





要点まとめ



◯自由糖の量・頻度 : 高いほどリスク上昇


◯粘着性固形食品 : 滞留時間が長く、リスク上昇


◯超加工食品 : 高頻度摂取でリスク大幅上昇


◯フッ素併用 : 糖の悪影響を部分的に緩和


◯乳製品・緩衝食品 : リスクを下げる補助的役割







文献的には



食品の種類・形状・粘着性・加工度・糖の量と頻度



がう蝕リスクに影響します。

摂取する食品を選ぶことで、リスクを体系的にコントロールできます。


好きな食べ物を好きな時に食べたい!という気持ちは僕もいつも胸に抱いておりますが、


お口の健康だけでなく、全身的な健康も考えて、

ぐっと我慢することも大切だと思います。







そして、今回は主食云々のお話を最初にさせていただきましたので、


主食においてはう蝕リスクはどうなのか?


という内容もまとめました。






1. デンプン食品の酸産生性とGIの関係


・パスタ(スパゲッティ)やパン、白米などの高GI・精製デンプンは、歯垢pHの急激な低下を引き起こしやすく、う蝕リスクが高い


・たとえば「パン vs ひよこ豆」では、パンによるpH低下がより大きく、GIが高いほど酸産生も強まる傾向があると報告されている。




*GI値とは?

「その食品が、どれだけ血糖値を上げやすいかを示す数値」のこと。

• 基準はブドウ糖(GI値=100)

• 食品ごとのGI値を、ブドウ糖と比べて数値化







2. 精製 vs 全粒・低GI食品


・パンやお米などは、全粒粉パン・低GI食品に比べてプラークpHの低下が大きく、リスク高


・一方、全粒粉パスタや雑穀入りご飯など、低GIの主食に変えると、酸の生成が緩やかになり、リスクが減少する可能性がある。







3. 一般的なデンプン食品のう蝕性


・米・パン・パスタなどの精製されたデンプン食品は、砂糖に比べればやや低いが、十分に酸を産生して脱灰を引き起こす


・特に細かく加工されたり、粘着性が高いと、リスクがさらに高まる(精製度・食感・滞留時間などが要因)。






つまり、



◯白米、パン、パスタのような高GIで精製度の高い主食は、プラーク中のpHを急激に下げやすく、

結果として脱灰を促進しやすい傾向がある。



◯加工度や粘着性が高いと、歯にくっついて長く残りやすいため、なおのこと要注意。



◯一方、全粒粉パンや全粒粉パスタ、雑穀米といった低GIの主食に置き換えると、

酸の産生がゆるやかになり、う蝕のリスクを抑える可能性がある。



虫歯と主食について
虫歯と主食について



主食の選び方ひとつで、虫歯リスクは下げる事ができるかもしれません。

ただ、歯磨きや間食のタイミング、フッ化物の使用など、虫歯予防はいろいろな要素を組み合わせて行うのが大切です。



それでは、何気に長くなりましたが、今日はここまでにしておきます。

次の更新でお会いしましょう!

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