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- Hatch Dental Clinic -

根管治療・精密根管治療

CT・マイクロスコープ・ラバーダムの使用は当たり前。多種多様な器具を用いた精密根管治療を実施

根尖病変(根尖性歯周炎)イメージ

 当院では自費診療による『精密根管治療』を行っておりますが、保険診療による通常の根管治療も行っています。
​決して自費診療だから良い、保険診療だからダメ、という訳ではありません。

それぞれの違いを理解していただいた上で選ばれるのであれば、我々はその中で最善を尽くします。
どちらを選ばれても後悔のないよう、しっかりとしたご説明およびご理解いただいた上で治療を進めさせていただきます。

5つのこだわり

​当院の根管治療の5つこだわり

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『みえない』治療から
『みえる』治療へ

ラバーダム防湿を行なって処置をする

化学的洗浄効果を
​最大限発揮するには

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『みえる』だけでは意味がない。
『とどく』ためのツール

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根管治療の欠かすことのできない
新たな​パートナー

ラバーダム防湿を行なって処置をする

パーフォレーションリペア
破折ファイル除去

コラム

根管治療などのコラムを纏めておりますので、ご覧下さい

 当院では保険適用の根管治療だけでなく、保険適用外の精密根管治療を行っております。
現在、我が国においては国民皆保険制度があるおかげで、どのような方でも負担が少なく医療を受けることができます。
しかし、治療の幅が狭められてしまうという側面もあります。

 根管治療は海外においては、専門医によって非常に高額な費用で行われています。
そのため術者も専門的な技術と知識がなければできませんし、高額な料金をもらうからには可能な限り良質な処置を責任を持って行います。

 近年では日本においても、良質な医療を受けるためには自費診療(あるいは自由診療)で治療する機会が増え、都心部を中心に一般的になりつつあります。

根管治療について

根管治療とは、主に歯の内部に生じた病変を取り除き、その後歯を保存するための治療方法です。以下のポイントに沿って説明します。

必要とされる病気
根管治療は、歯髄炎や根尖性歯周炎など、歯の内部(歯髄)やその周囲に問題が発生した場合に必要です。歯髄炎は、虫歯などが原因で歯髄が炎症を起こす状態を指し、根尖性歯周炎は歯の根の先端周囲に炎症や感染が広がる状態を言います。


根管治療の種類
1. 抜髄治療:感染した歯髄を取り除く治療。
2. 感染根管治療:感染した根管内を清掃し、殺菌後に充填する治療。
3. 再根管治療:以前の根管治療に失敗した場合に、再度行う治療。
4. 生活歯髄切断法:歯髄の一部を保持しながら、感染部分を除去する治療法。


手順
根管治療は大まかに次の手順で行われます。
1.
診断と計画:レントゲン撮影を含む詳細な診断後、治療計画を立てます。
2. 麻酔とアクセスオープン:治療部位を麻酔し、歯の内部へアクセスするための開口を行います。
3. 根管の清掃と形成:特殊な器具を使用して根管内の感染組織や歯髄を除去し、根管を清掃します。
4. 根管の充填:清掃後、根管内を特殊な材料で充填し、細菌の再侵入を防ぎます。
5. 修復:根管治療後、歯を保護するための最終的な修復(クラウンなど)を行います。


保険診療と自費診療の違い
保険診療の根管治療は、基本的な材料や技術に限られることが多く、治療の選択肢や使用材料に制限があります。一方、自費診療の精密根管治療では、より高度な技術や材料を使用することができ、成功率の向上や治療後の歯の機能性・審美性を高めることが期待できます。自費診療では、マイクロスコープを使用した治療や、より精密な根管充填材料を選択することが可能です。

根管治療は複雑で繊細なプロセスを要するため、
専門的な技術と経験が必要です。適切な診断と治療計画のもとで行われることが、治療成功の鍵となります。

マイクロスコープ
『みえない』治療から『みえる』治療へ 

 歯科の分野にマイクロスコープが普及して、最も恩恵があったのは歯内療法学分野(根管治療の学問)と言っても過言ではありません。
マイクロスコープ登場前は、根管治療といえば盲目的な処置がほとんどでした。
狭い口腔内の、真っ暗で入り口しか見えない根管に、針のような器具を通して、闇雲に掻き出して処置をする、というのが従来の根管治療です。


これでは汚染して感染を起こした部分を全て取り切れるはずがありませんし、健全で問題ない歯質を余計に削ってしまいます。
マイクロスコープを用いることで、選択的に悪い部分だけを除去することができ、健康な歯質は極力保存することができます。
そうすることで歯の強度が低下することを防ぎます。


 また、直接みることが出来なかった時代には処置が難しかった根管形態を、マイクロスコープ下では処置することが可能になりました。

フィン』『イスムス』『MB2』『C-shape(樋状根)
​と言われる根管形態は、特に処置が難しく、従来の器具のみでは十分な処置が難しくなります。

上記のような特殊な形態は、特別珍しい根管形態ではありません。イスムスの発現頻度は下顎第一大臼歯近心根で54~89%、上顎小臼歯で26~40%MB2に関しては、上顎第一大臼歯で50~70%と言われています。

術前のCT撮影によって、そういった根管形態をしっかりと把握し、ひとりひとり、1本1本、1根管1根管と、細かく治療戦略を立てることが成功への道標となります。

行き当たりばったりの治療ではなく、しっかりとした検査、診断の必要性をご理解いただければと思います。
こうした手順をしっかり踏むことによって、難易度の高い根管形態であっても、その形態に適した器具を用いて、戦略的に処置を行うことができます。

根管洗浄
化学的洗浄効果を最大限発揮するには

 根管内の薬液を用いた化学的洗浄は、根管治療成功には必須になります。なぜかというと、感染を起こした根管を、針のように真っ直ぐな器具を用いてキレイにしようと思っても、不可能な根形態が非常に多いからです。下の画像をご覧ください。

入り組んだ根管の側枝

 この例は極端かもしれませんが、根管というのは『側枝』といって、真っ直ぐに延びる根管以外にも枝分かれした根管がいくつも伸びているのです。
 
この中を清掃しようと思うと、物理的な清掃は困難です。そのため、化学的洗浄に頼る必要があります。
化学的洗浄も、ただ薬剤を流し入れるだけでは適切な効果を発揮させることはできません。
根管の長さや太さ、その他形態を把握した上で、しっかりと薬液が根管内で環流するようにしなければいけません。
また、薬液の濃度・温度・量などによっても効果は変化します。皮膚に触れると危険な薬液もあります。

全てにおいて管理が行き届いた精密根管治療でこそ、化学的洗浄が最大の効力を発揮することができるのです。

精密根管治療専用器具
『みえる』だけでは意味がない。『とどく』ためのツール 

Hatch Dental Clinicの精密根管治療専用器具

緑が元々の根管形態、赤が物理的清掃で触ることのできた部位
『Root canal preparation using micro-computed tomography analysis: a literature review』
Manoel Damião de Sousa-Neto, Yara Correa Silva-Sousa, Jardel Francisco Mazzi-Chaves, Kleber Kildare Teodoro Carvalho, Ana Flávia Simões Barbosa, Marco Aurélio Versiani, Reinhilde Jacobs, Graziela Bianchi Leoni
Braz Oral Res. 2018 Oct 18;32(suppl 1):e66.

 この図は、通常の根管治療で用いられるファイル・リーマーといった針のような器具を用いて、根管を清掃した後の状態を示しています。

ファイルやリーマーを用いただけの根管治療では、そのファイル形状の通りにしか歯に触れることができず、触れた所しか清掃ができません。
そういった部位は、先に述べたように化学的な洗浄に頼るだけになってしまいます。

化学的洗浄も効果的ではありますが、全てを薬液のみで賄えるほどの効果はなく、可能であるならば感染歯質を物理的に除去する事が、根尖性歯周炎を治すために必要になります。

根管治療に用いられるファイル・リーマーのイメージ

​ファイル・リーマーとはこういった針のような器具のことです。汚れなどを掻き出す構造になっています。

 精密根管治療では、マイクロスコープ専用器具を用いることで、しっかりとした物理的清掃が可能です。
下図のような極細の超音波切削器具や、マイクロエキスカベーターなどを使用します。

再根管治療で古い薬(ガッタパーチャなど)を除去する際にも、効率的かつ、取り残しや根尖孔外への押し出しを避けつつ除去する事ができます。

マイクロスコープ、ラバーダムはあくまで環境を整えるためのツールであり、使用したからといって治癒する訳ではありません。
​『見えた』汚れを『取り除く』ために必要なツールも、確実に使いこなす必要があります。

エアスケーラーとファイル型チップ
マイクロエキスカベーター

他にも多種多様な専用器具があり、それぞれの形態に合った物を使用することで、健全な歯質を残しつつ、感染してしまった部分だけを選択的に取り除くことができます。

MTA
根管治療のパートナー

 MTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate)と精密根管治療は、切っても切り離せないものとなりました。
今や多くの歯科医院で置いてあるでしょう。しかし、その材料特性を把握した上で使用しなければ本来の効力を発揮することはできません。

MTAは湿度に強い性質(水分で硬化する性質)を持ち合わせていますが、過度な滲出液・血液の存在はMTAの硬化を阻害します。

『表面の硬度は酸性下で著しく低下する(Namazikhah et al. 2008)』
『周りの環境や、硬化中の血液および血清の混入は、MTAの圧縮強度および表面硬度を低下させる(Nekoofar et al. 2010a, b)』

 根管でない部分に穴を開けてしまった(パーフォレーション)と焦ってMTAで埋めても、結局うまくいかず、最終的に『良いお薬を使ってやるだけの事はやったが、ダメだったので抜歯しましょう』と言われて抜歯と判断されることもあるようです。

また、MTAは材料としての特性は非常に優れているのですが、操作性が悪いという欠点があります。
言い換えれば『テクニックセンシティブ』、術者の腕に治療の予後が左右される、ということです。
 
MTAを始めとするバイオセラミックス材料の用途

  • 根管充填

  • パーフォレーションリペア

  • 根尖破壊(Open Apex)への対応

  • 外科的歯内療法(逆根管充填)

  • 生活歯髄保存療法

  • 根未完成歯への対応

  • 内部吸収、外部吸収への対応

MTAセメント(バイオセラミックスマテリアル)

さまざまなバイオセラミックスマテリアル(当院で扱っているもの)

偶発事故リカバリー
治療の際に起こってしまう偶発事故
マイクロスコープを用いたリカバリー

今までは不可能だった偶発事故のリカバリーも、マイクロスコープと専用器具、薬剤を用いることで可能になりました。

Proroot MTAというMTAセメントの中でも歴史の長く信頼性のある製品になります

パーフォレーション

 パーフォレーションというのは、歯質の過剰切削によって、髄腔(元々歯髄が入っていた空間)と歯周組織が交通する状態を言います。

簡単にいうと、歯の根っこ部分に穴を開けてしまって、貫通している状態です。

こうなってしまうと、今までは抜歯する以外の選択肢がありませんでした。

このパーフォレーション修復に大きく貢献したのは、マイクロスコープ、そして『MTA』です。

 MTA(MTAセメント)ですが、この材料の登場によって歯内療法学は大きく発展しました。
パーフォレーションのような穴を塞ぐことができるようになったのです(限度はあります)。


しかしながら、詰めれば治る魔法のお薬ではありません。

ご相談にいらっしゃる患者様で、パーフォレーションを起こしたところがMTAで埋められている方も、最近では多くお見かけするようになりました。
MTAの万能性が高く、一般的な歯科医院でも扱うようになってきたからです。


しかし、根尖病変やパーフォレーション部の病変が消失しておらず、膿が出る、症状が消えない、というご相談が多いです。
これは感染源の除去が不十分であるために、炎症が取りきれないままMTAを充填してしまうために起こります。

しっかりと感染源を除去する技術がなければ、MTAも宝の持ち腐れになるのです。

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