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接着歯学最前線と音の沼に嵌った話

  • Hatch Dental Clinic
  • 5月25日
  • 読了時間: 5分

こんにちは。Hatch Dental Clinicの歯科医師、平沼です。


ありがたいことに、ブログ更新、まだ続いております。



さて今回は、いつも通り歯科の話と歯科以外の話、両方をお届けします。

順番としては、まず真面目な歯科の話から始めたいと思います。

後半の話が歯よりも少しマニアックになる予感がしているからです。






■ 接着歯学と「オクルーザルベニア」という選択肢



接着歯学――つまり「歯と補綴物をくっつける技術」について、

ここ最近で飛躍的な進歩がありました。

劇的な“革命”とまではいかずとも、臨床における成功率や予知性が向上しています。


それによって、以前は予後が不安定とされていたラミネートベニアも安定してきましたし、

さらには新たに「オクルーザルベニア」という選択肢も登場しました。






■ オクルーザルベニアって何?



「オクルーザル」とは噛み合わせ、「ベニア」は薄い板。

つまり、噛む面にだけ貼り付ける補綴物という意味です。






■ なぜオクルーザルベニアが必要とされるのか?



たとえば虫歯が深かったり、根管治療を終えた歯などは、

従来であれば“クラウン(被せ物)にするしかない”という選択が一般的でした。

クラウンとは、歯をぐるっと一周削って「すっぽり被せる」スタイルの補綴物です。


これは「茶筒」と同じ原理で、茶筒がカポッとはまるように、

歯の形と摩擦抵抗で“外れにくくする”構造なんですね。これを維持力と呼びます。


でもそのためには、歯を多く削らなければならないという代償がありました。






■ オクルーザルベニアは何が違う?



オクルーザルベニアの最大の特徴は「歯の周囲を削らない」こと。

イメージとしては、「噛む面だけを薄く削って、そこにぴたっと貼る」感じです。


クラウンのような維持力(=摩擦)は期待できないので、

外れないための力は“100%接着力”に頼ります。


オクルーザルベニアの形成はこんな感じです。上の噛む面だけ削ります。
オクルーザルベニアの形成はこんな感じです。上の噛む面だけ削ります。



■ 技術は進化しても「誰でもできる」わけじゃない



接着の実験データは研究室での理想的な条件下で行われたもの。

一方、実際の口腔内は唾液、湿気、アクセスの難しさなど、あらゆる“現実”が待ち構えています。


つまり――

接着の成功率を臨床で最大限に引き出すには、それ相応の技術力が必要なのです。


前処理のステップが煩雑です。
前処理のステップが煩雑です。



■ それでも僕がこの治療法を推したい理由



歯をなるべく削らずに済む

それでいて美しく、機能的に回復できる。


今まで「クラウンにするしかない」とされていたケースに、もうひとつの選択肢が増えた。

それって、すごく意味のあることだと僕は思うんです。


セットするとこんな感じです。
セットするとこんな感じです。



ただ、当然ですが保険は効きませんので、自費診療になってしまいます。

そこはご理解いただけたらと思います。


歯の話はこれくらいにしておきます。








『オーディオ沼』






というものをご存知でしょうか。



最近は、何かに夢中になる・熱中することを「沼にハマる」と表現するようです。


「沼る」


と言うこともあるそうです。

実は私も、気づけばその“沼”にどっぷりと浸かってしまっていました。

対象は――オーディオ。

(といっても、今のところは主にイヤホン限定のお話です。)


事のきっかけは、数年前にワイヤレスイヤホンを買い替えた頃に遡ります。



その頃、家電量販店でいちばん高額だったSONYのワイヤレスイヤホンを、

「自分へのご褒美」として(特に何かを成し遂げたわけではないのですが…笑)購入しました。


そして音の良さに驚いたのです。



それまで使っていたのはAnkerのイヤホン。

特に不満もなく、むしろ「音なんて聴ければ十分」と思っていた私は、

音質にこだわる人を“ちょっと面倒くさい人”くらいに思っていた節さえあります。


それが、SONYのイヤホンで音楽を聴いた瞬間に、

その考えがくつがえされました。

「ワイヤレスでこの音なら、有線イヤホンって…もしかしてもっとすごいのでは?」


――この“甘い考え”が、見事に私を沼の入り口まで連れてきたわけです。






■ 初めての有線イヤホンは「SHURE SE215」



次に選んだのは、SHUREのSE215というイヤホンでした。

これはAmazonのベストセラーで、かつ、昔バンドをやっていた頃に馴染みのあったSHUREが出しているという安心感もありました。

これは間違いないだろうと思って選んだのですが――


聴いてみると「…あれ?意外と普通?」

正直、さっきまで使っていたSONYのワイヤレスのほうが音が良く感じてしまいました。


というわけで、SE215はサブ機として時々使う程度に。




■ “リケーブル”との出会い



それから数年後。

何の気なしにSE215のAmazonレビューを見ていたとき、

ある一文が目に飛び込んできました。


「そのままでは使いものにならない。リケーブル必須」


リケーブル…?はて?

その聞きなれない言葉を調べてみると、有線イヤホンのケーブルを交換することで音質が変わるというではありませんか。


さっそくAmazonでリケーブル用ケーブルを購入。

そして装着して再び音楽を聴いてみると、音質がかなり改善されていたんです。


この瞬間、沼の入り口に立ちました。





■ もっと良くしたい、その先へ



現在では、final A4000というイヤホンに、

4.4mmのケーブルをFiiO KA13というポータブルアンプにバランス接続して使用しています。


これでもまだ沼の入り口に立ったばかりーーー
これでもまだ沼の入り口に立ったばかりーーー


■ 概ね満足、でも気になる点も…



今の音には、おおむね満足しています。

しかし気になる点が何点かあります。


  • 高音がややキツく感じることがある

  • アンプをつなぐとスマホのバッテリーが爆速で減る



とくに通勤電車で30〜40分使っただけでバッテリーが20%減るのは、さすがに痛い。

毎日使用するのは、少し現実的ではないかもしれません。





■ 音探しの旅の終わりか、次の一歩か



ここで満足して旅を終えるか、

はたまた、さらなる音を求めて秋葉原の専門店へ相談に行くか。

音探しは辛いなーと思いつつも、楽しんでいる自分もいるんですよね。

音探しの旅はまだまだ続くということでしょうか。





■ まとめ



イヤホンの世界は思っていた以上に奥が深く、

そしてとても楽しいものでもあります。


また何か新しい発見があれば、ここでご報告します。

音好きの方も、そうでない方も、よければお付き合いください。


それでは今回はこのへんで。

次の更新で、またお会いしましょう。




Hatch Dental Clinic

平沼

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