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セラミック治療はダメ?やるなら美容クリニック?普通の歯科医院?気をつけるべきポイントを歯科医師が解説!

  • Hatch Dental Clinic
  • 6月27日
  • 読了時間: 7分

更新日:6月28日

こんにちは!Hatch Dental Clinic歯科医師の平沼です。




今日のテーマは


『セラミック治療について』


です。



セラミック治療といっても、

虫歯の治療でセラミックの詰め物や被せ物にする、というセラミックではなく、

見た目の改善、審美目的で行うセラミックが今回のテーマになります。

(病気を治すわけではないので、正確には治療ではありません)


セラミック矯正といった呼び方もありますが、矯正ではないので間違えた造語になります。


セラミック治療でもセラミック矯正でもなければなんなのか?

と自分でも思いますが、我々歯科医師は『審美補綴治療』という呼び方をするかもしれません。





そういったセラミックを用いて見た目を改善する方法ですが、

歯科医師からすると、健康な歯を削る治療になるので否定的な声も多く聞かれます。



・本当にやめた方がいいのか?

・どんな問題があるのか?

・やるなら方法はどんなものがあるのか?

・やった後は一生物になるのか?

・歯列矯正治療とどっちがいいのか?

・普通の歯科医院と美容クリニック、どっちがいい?



この辺りの気になる点を僕の目線からご説明します。




◻️セラミック治療は絶対ダメ?



健康な歯を削って見た目を改善する方法ですので、

当然、削った歯は元に戻りません。


そして、その上に被せ物をするのですから、歯と被せ物の境目から虫歯になるリスクもあります。


じゃあやめた方がいいのか?

という点ですが、前歯の見た目を気にして思いきり笑えなかったり、それがコンプレックスで行動に制限をしてしまったりするなら、

僕はやった方がいいと思います。



人生は一度きりですから、今を最も楽しむための選択をした方がいいと考えています(もちろん後のことを考えて行動するべきですが)。





◻️どんな問題が起こる?


セラミックの被せ物をするために歯を削りますので、以下のような問題が起こる可能性があります。


・歯髄炎

・二次むし歯

・被せ物の脱離や破折

・経年劣化や歯肉退縮による見た目の問題



いずれも、起きてしまうと被せ物をもう一度やり直さなければならないかもしれません。


クリニックによっては何年かの保証期間があるかもしれませんが、必ずしも一生物ではないということを考える必要があります。




◻️やるならどんな方法がある?


セラミック治療(審美補綴治療)と一口に言っても、いくつかの選択肢があります。




① フルクラウン(全体の被せ物)


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いわゆる「差し歯」と呼ばれる物もこの中に含まれます。

歯を全周しっかり削って、上から被せる方法です。



メリット:色・形を自由にデザインできる。重度の変色・位置ズレも対応しやすい。


デメリット:歯を大きく削る。歯髄炎・将来的な根管治療リスクが高まる。



セラミック矯正でよく見かけるのはこのタイプです。





② ラミネートベニア


歯の表面を最小限だけ削って、薄いセラミックの板を貼り付ける方法。


・メリット:削る量が比較的少なく、歯に優しい。自然な仕上がり。


デメリット:歯並びのズレが大きいと適応外になることもある。脱離(外れる)リスクがある。技術が必要になるため、対応していない歯科医院もある。



歯の色・すき間・小さな歪みならこれが理想的な方法です。

Instagramでラミネートベニアと検索すると、美容系のクリニックの宣伝のようなのが沢山出てきて恐ろしいです、、

見た目も機能面も、絶対に後悔します、、






③ 矯正治療との併用


歯並びが大きくズレている場合は、まず矯正で歯を並べてからラミネートベニアや部分的なセラミックにすることもあります。

最もあすすめな方法です。


メリット:健康な歯をほとんど削らずに済む。全体的な改善ができる。


デメリット:治療期間が長くなる。



最近はより審美的な『矯正治療やインビザライン+ラミネートベニア』という方法も増えてきています。






◻️矯正治療とどっちがいい?




歯並びを整えたいと考えたときに、多くの方が迷うのが「矯正治療」と「セラミック治療(審美補綴治療)」のどちらを選ぶか、という点です。


この二つの治療法は、目的は似ていても、

治療のアプローチ・かかる期間・歯への負担がまったく違います。



どっちがいい?というのは、1番は目的によると思います。


もし「来月までに仕上げたい」「どうしても今すぐに見た目を良くしたい」なら、セラミック治療も選択肢に入ります。


「できるだけ歯を削りたくない」「将来を考えて体に優しい治療をしたい」なら、矯正が第一選択です。




◎ セラミック治療の特徴



・治療期間が短い:早ければ数週間で完了するため、短期間で見た目を大きく改善したい方には魅力的です。


・歯を削る必要がある:健康な歯質を削って、セラミックの被せ物やラミネートを装着するため、どうしても「歯の寿命」を少し短くしてしまうリスクはあります。


・自由にデザインできる:歯の色・形・大きさ・角度をある程度自由に調整できるため、「理想の笑顔」を早く手に入れたい方にはおすすめの選択肢です。



◎ 矯正治療の特徴


・歯をほとんど削らない:矯正は、基本的に歯の位置をゆっくり動かす治療なので、歯を削る必要はほとんどありません。


・治療期間が長い:数ヶ月〜数年かかることが一般的で、保定装置(リテーナー)で後戻りを防ぐ必要があります。


・自然な歯並びを作れる:ご自身の歯を活かした、自然で健康的な歯並びに整えることができます。




◎ どちらを選ぶべきか?



「とにかく早くキレイにしたい」「イベントが近い」「歯の色や形も一緒に整えたい」という場合は、セラミック治療が良い選択肢になるでしょう。




一方で、「自分の歯をできるだけ削りたくない」「将来も健康な歯を保ちたい」「ゆっくりでも自然に整えたい」という方には、矯正治療が圧倒的におすすめです。


最近では、矯正治療で歯並びを整えてから、必要最小限のセラミック(ラミネートベニア)で仕上げるハイブリッドな治療も増えてきています。


これなら、健康な歯をなるべく守りつつ、理想的な見た目を手に入れることができます。






◻️美容クリニック vs 歯科医院、どっちでやる?



最近は美容クリニックでのセラミック治療が増えていますが、個人的には歯科医院でやるのが安心だと思います。


美容クリニックでは

「見た目を重視したスピード重視の治療」

が多い一方で、

かみ合わせや歯の健康、術後のメンテナンスなどまでしっかり考えた治療は難しいかもしれません。



◎ 歯科医院の特徴



◯メリット


かみ合わせ・咬合力・歯周組織の健康まで考えた治療を行う。


• 健康な歯をなるべく削らない選択肢(矯正治療の提案など)もしてくれる。


• 治療後のメンテナンスもあり、長期的な歯の健康を考えてくれる。




デメリット


• 美容クリニックほどのスピード感はない場合が多い。


• 「最短で完了!」のような即日施術にはあまり対応していない。



歯科医院は、見た目だけでなく“健康と将来”まで大切にしたい人向け。




メリット


• とにかく「見た目重視」。スピーディーな仕上がりを目指す。


• 仮歯から最終補綴への仕上がりが早く、短期間で完了することが多い。



デメリット


• 噛み合わせや長期的な歯の寿命は、あまり考慮されていない場合がある。


• 「とにかく早く」という流れで必要以上に健康な歯を大きく削ることもある


• クリニックによっては、十分な説明がないまま治療が進むこともある。


美容クリニックは、治療期間重視な人向けです。




僕の昔からお世話になっている日本臨床歯科学会(SJCD)は審美補綴を得意としているのですが、いつも口酸っぱく言われるのは


『見た目の改善だけでは美容歯科、機能まで考えるのが審美歯科』


というコンセプトです。

機能を損なってしまっては、せっかく高いお金を出して見た目を良くしても長く保ちません。


審美歯科というのは、

噛み合わせや歯ぐきとの調和などの、機能も含めて改善する、という分野になりますが、

最近では見た目だけを考えたセラミックが審美歯科と謳われる事が多いので注意が必要です。






◻️まとめ



セラミック治療は、「絶対ダメ!」というものではありません。

健康な歯を削るリスクはありますが、人生をもっと楽しむための選択肢としてアリだと思います。



ただし、やるなら



• 自分に合った方法を選ぶこと

• メリット・デメリットをしっかり理解すること

• 信頼できる歯科医院で相談すること



これがとても大切です。


気になっている方は、ぜひ一度、相談してみてください。


それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました!

また次回のブログでお会いしましょう!

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