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マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い|得意な動き・苦手な動きで選ぶ

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こんにちは。Hatch Dental Clinic 院長の平沼です。

「マウスピース矯正とワイヤー矯正、どっちがいいんですか?」

よく聞かれる質問です。ただ、この質問には「見た目」や「痛み」で答えても意味がありません。

なぜなら、装置によって「得意な歯の動き」と「苦手な歯の動き」がはっきり違うからです。あなたの歯並びを整えるのに必要な動きが何なのか。それによって選ぶべき装置は決まります。

この記事の結論
  • 優劣ではなく「必要な動き」で決まります。見た目や快適性は判断材料の一部にすぎません
  • マウスピース矯正が得意なのは「遠心移動」と「圧下」。苦手なのは「挺出」と「大きな回転」
  • ワイヤー矯正は挺出・回転を含め幅広く対応でき、複雑な症例に強い
  • マウスピース矯正の遠心移動を活かして、抜歯を回避できるケースがあります。ただし「抜かない」こと自体を目的にすべきではありません
  • 最大の弱点は「取り外せること」。1日20〜22時間の装着ができないと、計画どおりに動きません

マウスピース矯正とワイヤー矯正の比較

マウスピース矯正が登場してから、もう20年以上が経ちました。最初期から業界を牽引してきたのがアライン・テクノロジー社のインビザラインで、現在では数社が競合として登場し、それぞれ独自の特徴を活かして健闘しています。

一方でワイヤー矯正(ブラケット矯正)も、今なお必要性を保ち続けています。当院ではマウスピース矯正の利用が増えていますが、マウスピースでは対応できない歯の動かし方や、抜歯を伴う矯正治療において、ワイヤー矯正は今も欠かせません。

まず、全体像を表で整理します。

項目マウスピース矯正ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
見た目透明で目立ちにくい金属・セラミックの装置が見える
取り外し可能(食事・歯磨き時に外せる)不可(固定式)
清掃性外して磨けるため保ちやすい装置の周りに汚れが溜まりやすい
装着の負担1日20〜22時間の自己管理が必要装着し続けるため管理不要
初期の違和感比較的少ない装置による違和感・口内炎が出やすい
得意な動き遠心移動、圧下挺出、回転、複雑な三次元的移動
苦手な動き挺出、大きな回転(幅広く対応可能)
適応範囲軽度〜中等度が中心軽度〜重度まで幅広い

得意な動き・苦手な動きとは

ここが記事のいちばん重要な部分です。専門用語が出てきますが、簡単に説明します。

マウスピース矯正が得意な動き

  • 遠心移動——歯を後ろ(喉側)に動かすこと。奥歯を後方に下げてスペースを作る動きです
  • 圧下——歯を骨の中に沈み込ませること。前歯が出ている、噛み合わせが深いケースで必要になります

マウスピースは歯を面で覆うため、歯全体を押し込む・押し下げる方向の力が加えやすいのです。

マウスピース矯正が苦手な動き

  • 挺出——歯を骨から引っ張り出すこと。マウスピースは「押す」ことは得意でも「引っ張る」のは苦手です
  • 大きな回転——特に丸い形をした歯(小臼歯や犬歯)をねじる動き。マウスピースが滑ってしまい、力が伝わりにくくなります
  • 重度の叢生や複雑な咬合——動かす量が大きくなるほど、計画とのズレが生じやすくなります

これらの動きが必要な場合、マウスピース単独では難しく、ワイヤー矯正、あるいは部分的な併用が選択肢になります。

ワイヤー矯正が得意な理由

ワイヤー矯正は、歯の1本1本にブラケットを接着し、そこにワイヤーを通します。歯に直接、方向を指定して力をかけられるため、引っ張る・ねじる・傾けるといった動きを自在にコントロールできます。

固定式なので24時間力がかかり続ける点も、確実性という意味では大きな利点です。

抜歯を回避できる可能性について

マウスピース矯正は遠心移動を得意とするため、歯列全体を後方へ下げることでスペースを作り出すことができます。

ワイヤー矯正で同じことをしようとすると、ヘッドギアやアンカースクリューなど複雑な装置が必要になることが多いのですが、マウスピースではそれを比較的シンプルに行えます。

この特性により、通常なら抜歯が必要とされるケースでも、抜歯を回避できる可能性があります。僕がマウスピース矯正を評価しているのは、まさにこの点です。

ただし——ここは正直に書いておきます。

「抜かない矯正」を目的にしてはいけない理由
  • 必要なスペースが大きい場合、無理に非抜歯で進めると口元が前に出てしまうことがあります
  • 歯列を無理に広げると、歯ぐきが下がったり(歯肉退縮)、骨から歯根が出てしまうリスクがあります
  • 後戻りしやすくなる場合があります
  • 骨格的な要因が強いケースでは、そもそも歯の移動だけでは限界があります

「抜かないこと」は手段であって、目的ではありません。精密検査(レントゲン・CT・模型分析)に基づいて、抜歯した場合としない場合の仕上がりを比較したうえで判断すべきものです。

結局、どちらを選ぶべきか

選び方の目安
  • 軽度〜中等度のガタつき、奥歯を後ろに下げたい → マウスピース矯正が有力
  • 歯を引っ張り出す必要がある、大きく回転させる必要がある → ワイヤー矯正
  • 抜歯を伴う大きな移動が必要 → ワイヤー矯正、または併用
  • 仕事や生活で装置を見せたくない → マウスピース矯正(ただし装着時間を守れることが前提)
  • 自己管理に自信がない → 固定式のワイヤー矯正のほうが確実

矯正治療の方法が多様化している今、大切なのは「患者さん一人ひとりの状況に応じて最適な方法を選べること」だと思っています。どちらか一方しか扱っていない医院では、その選択自体ができません。

当院では両方に対応していますので、まずは検査と診断を受けていただき、それぞれの方法で何ができて何ができないのかを比較したうえでお決めいただければと思います。

矯正治療のリスク・副作用

装置の種類にかかわらず生じうるもの
  • 痛み・違和感:装置の装着後や調整後の数日間、歯が浮くような痛みが出ることがあります
  • 歯根吸収:歯を動かす過程で歯根がわずかに短くなることがあります
  • 歯肉退縮:歯の移動に伴い歯ぐきが下がることがあります(歯肉退縮について詳しくはこちら
  • むし歯・歯周病:清掃が不十分だとリスクが高まります
  • 後戻り:保定装置(リテーナー)を使用しないと、歯は元の位置に戻ろうとします
  • 顎関節の症状:まれに顎の違和感や音が生じることがあります
  • 治療計画の修正:計画どおりに歯が動かず、装置の作り直しや期間の延長が必要になる場合があります

※矯正歯科治療は自由診療(保険適用外)です。費用は料金表をご覧ください。治療期間・結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)について
薬機法上の承認
当院で使用しているマウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は、日本の薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく承認を受けていない医療機器です。
入手経路
製造元である米国アライン・テクノロジー社より、歯科医師の責任のもとで輸入し使用しています。
国内の承認医療機器の有無
国内においては、同様の目的で使用されるマウスピース型矯正装置で薬機法承認を得ているものがあります。
諸外国における安全性等に関する情報
米国FDA(食品医薬品局)の認可および欧州CEマーキングを取得しており、世界各国で使用実績があります。重篤な副作用の報告は確認されていませんが、上記のリスク・副作用は生じうるものとしてご理解ください。

まとめ

マウスピース矯正とワイヤー矯正は、それぞれ独自の利点と適用範囲を持つ治療法です。

マウスピース矯正は透明で取り外せるという日常生活上の利点があり、遠心移動や圧下を得意とします。場合によっては抜歯を回避できる可能性もあります。

ワイヤー矯正は固定式ゆえに確実に力をかけ続けられ、挺出や回転を含む複雑な移動に対応できます。

大切なのは、それぞれの「できること」と「できないこと」を理解したうえで、自分の歯並びに必要な動きから逆算して選ぶことです。最終的には、お一人おひとりの状態に合わせた治療計画こそが、最良の結果につながります。

よくある質問

マウスピース矯正とワイヤー矯正、どちらを選べばいいですか?

見た目や快適性だけで選ぶものではありません。装置によって得意な歯の動き・苦手な動きが異なるためです。

マウスピース矯正は歯を後ろに動かす遠心移動や、歯を沈み込ませる圧下を得意とする一方、歯を引っ張り出す挺出や大きな回転は苦手とされます。ワイヤー矯正は挺出や回転を含め幅広い動きに対応でき、複雑な症例にも適応します。そのため「どちらが優れているか」ではなく「その歯並びに必要な動きは何か」で決まります。

マウスピース矯正なら抜歯しなくて済みますか?

ケースによっては可能性があります。マウスピース矯正は奥歯を後方へ動かす遠心移動を得意とするため、歯列全体を後ろに下げることでスペースを作り、抜歯を回避できる場合があります。

ただし、必要なスペースが大きい場合や骨格的な要因が強い場合は、抜歯を伴う治療のほうが確実で仕上がりも安定します。「抜かない」こと自体が目的になると、口元が前に出たり後戻りしやすくなったりすることもあるため、精密検査に基づく判断が必要です。

マウスピースは1日どのくらい装着する必要がありますか?

一般に1日20〜22時間程度の装着が必要とされています。食事と歯磨きの時間以外はほぼ装着している計算です。

取り外せることはマウスピース矯正の大きな利点ですが、同時に最大の弱点でもあります。装着時間が足りないと歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びたり、作り直しが必要になったりします。自己管理が難しいと感じる方には、固定式のワイヤー矯正のほうが向いている場合もあります。

矯正治療にはどんなリスクや副作用がありますか?

装置の種類にかかわらず、矯正治療には共通のリスクがあります。装置装着後の痛みや違和感、歯根が短くなる歯根吸収、歯ぐきが下がる歯肉退縮、清掃不良によるむし歯や歯周病、治療後の後戻り、まれに顎関節の症状などです。

また、計画どおりに歯が動かず治療計画の修正が必要になることもあります。これらのリスクを踏まえたうえで、定期的な通院と保定装置(リテーナー)の使用が重要になります。

マウスピース矯正で使うインビザラインは、日本で承認されている装置ですか?

マウスピース型カスタムメイド矯正装置であるインビザラインは、日本の薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく承認を受けていない医療機器です。歯科医師の責任のもと、海外から輸入して使用しています。

国内では他のマウスピース型矯正装置で薬機法承認を得ているものがあります。なお米国FDAの認可および欧州CEマーキングを取得しており、世界的に広く使用されています。詳細は診察時にご説明いたします。

治療後に後戻りしますか?

何もしなければ後戻りします。これは装置の種類にかかわらず共通で、動かした歯は元の位置に戻ろうとする性質があるためです。

そのため矯正治療では、装置を外した後に保定装置(リテーナー)を使用する保定期間が必ず必要になります。この期間を軽視すると、時間と費用をかけた治療結果が失われてしまいます。

執筆:平沼 貴大(歯科医師・Hatch Dental Clinic 院長) 千葉県浦安市で「削る・抜く」から「守る・残す」へをコンセプトに、ラバーダム・マイクロスコープ・CTを用いた低侵襲かつ保存的な歯科治療を行っています。矯正治療はワイヤー矯正・マウスピース矯正の双方に対応しています。歯科医師紹介はこちら →

まず「どちらが自分に必要か」を知ることから

浦安駅から徒歩2分。当院ではワイヤー矯正・マウスピース矯正の双方に対応しています。精密検査に基づいて、それぞれの方法で何ができて何ができないのかを比較したうえでご提案します。

WEB予約はこちら →

余談:新しい仲間と、ナッツをかけたヨーグルト

※ここから先は歯科の本題とは関係のない雑談です。

清水先生が仲間入りしました

この記事を書いた月から、我々の歯科医院に清水先生が仲間入りいたしました!

私とあまり歯科医師歴は変わらず、教えることもあれば、教わることも多くあります。とても勤勉な先生で、共に勉強しながら研鑽する仲間として申し分なく頼れる存在です。

今までバリバリ診療していたということですが、私の精密治療の想いに共感していただき、勤務いただく形となりました。

詳しくはプロフィールをご覧になってください(本当はあと何人かスタッフいますが、恥ずかしがり屋さんなので、、ネットは怖いですしお察しください)。

ナッツをかけたヨーグルト

砕いたナッツをかけた自家製ヨーグルト
まるでモデルの朝食のようですが、私の食後のデザートです

以前のブログ(いつだったかは忘れましたが)でヨーグルトメーカーを手に入れてヨーグルトを自宅で増殖させているという話をしましたが、実は今でも続けています。

健康に対する効果は、、、正直あまりないかもしれません(何回か風邪引きました)。笑

普通に美味しいので続けています。

水切りをして硬いヨーグルトを作ってみたり、このようにナッツをかけてみたり(これが一番美味しかった!)、いろんな種類のジャムをかけてみたりと、味がなんでも変えられるので本当に飽きないです。

皆さんもぜひお試しあれ!