こんにちは!Hatch Dental Clinic 院長の平沼です。
歯ブラシのランキングや比較の記事はたくさんありますが、書き手が実際に全部を使ったうえで書いているのかどうかは、読んでいてもなかなか分かりません。商品パッケージに書かれている説明が、そのまま並んでいるように見えるものもあります。
この記事は違います。市販品11本、歯科専売品10本。合計21本の歯ブラシを自腹で買い揃えて、全部を自分の口で使ってから、5つの評価項目でランキングにしました。毛のコシや当たり心地は、実際に磨いてみないと分からない部分が大きいからです。
そのうえで評価の軸は、使用感だけに頼らず、毛の硬さや毛先の形状について報告されている研究をふまえて組み立てています。
メーカーへの忖度は一切ありません。良いものは良い、微妙なものは微妙と書きます。
- 総合1位は Tepe セレクト(extra soft)。毛量・コシ・硬さのバランスが最も良く、当院でもこれと2位のsoftを採用しています
- 市販品なら プロスペックPlus(GC・やわらかめ)が3位。「これを選んでおけば間違いない」という一本です
- 硬さは「やわらかめ」を選ぶ。硬い毛は歯肉退縮・楔状欠損・知覚過敏の原因になります
- 極細毛(先細毛)は避ける。歯周ポケット内を傷つけやすく、汚れも落ちにくく、へたるのも早い
- 交換は毛先が広がる前に。目安は月1回。広がったらその時点で交換です
- 上位を占めたのは偶然にもナイロン毛の製品でした
きっかけは、当院で患者さんにお渡ししている「歯磨きオススメグッズ」の紹介資料でした。それを作りながら、「自信を持っておすすめできるほど、自分は歯ブラシを知っているのか?」と引っかかってしまったんです。
それなら全部買って使うしかない、ということで始めた企画です。
なお、順位も評価も私見です。歯科医師でも考え方は十人十色ですし、私の意見が100%正しいということはありません。参考のひとつとしてお読みください。
歯ブラシの選び方・5つの原則
ランキングの前に、僕が歯ブラシを選ぶときの基準をお伝えします。ここを押さえておけば、この記事に載っていない製品でも自分で判断できるようになります。
1. 硬さは「やわらかめ」を選ぶ
「自分に合った硬さを」とよく言われますが、硬い毛はおすすめしません(「ふつう」と書かれたものでも、だいたい硬いです)。
硬い毛は歯肉退縮・楔状欠損(WSD)・知覚過敏の原因になります。これは感覚論ではなく、システマティックレビューでも「硬い毛の歯ブラシは、中程度・柔らかい毛に比べて歯肉の傷を多く生じさせる」と報告されています。
公平を期すために書いておくと、やや硬めの方がプラーク除去効率は高いという報告もあります。つまり清掃力と歯ぐきへの安全性はトレードオフです。それでも、何十年と使い続ける道具であることを考えると、僕は安全側に振るべきだと考えています。やわらかめを、時間をかけて丁寧に。これが結論です。
2. 極細毛(先細毛)は避ける
先が細く尖った毛は、歯周ポケットの内側(内縁上皮)を傷つける可能性があります。磨いているとチクチクする、痒みのような痛みがある——心当たりはありませんか。
加えて、毛先が細いぶん汚れが落ちにくく、コシもすぐになくなります。実際、毛先を丸め加工した歯ブラシの方が先細毛よりプラークをよく落とし、しかも歯肉の傷は増えなかったとする臨床試験もあります。
最近の市販品でよく見かけるタイプですが、なるべく避けた方が良いというのが僕の考えです(歯周病治療中など、歯科医院の指示で使う場合は別です)。
3. 交換は「毛先が広がる前」に
目安は月1回。毛先が広がったら、期間に関係なくその時点で交換です。
アメリカ歯科医師会(ADA)は3〜4か月ごとの交換を推奨していますが、摩耗した歯ブラシはプラーク除去効率が落ちることが報告されており、素材によっては2か月ほどでコシが低下したという研究もあります。日本人の丁寧なブラッシング習慣を考えると、もう少し早めが安全です。
4. 「変わった機能」が付いたものは避ける
毛先の形が凝りすぎているもの、突起が付いているものなどは、かえって当てにくいことがあります。シンプルな形の方が結果的に磨きやすいです。
5. 安すぎるものは避ける
極端に安い製品は毛の品質が安定せず、すぐにへたります。結果的にコストパフォーマンスが良いとは限りません。
今回比較した21本
当初は市販品4本・歯科専売品8本の計12本の予定でしたが、同じ製品でも硬さによって使い心地が大きく変わるため、買い足して検証しました。
結果的に『市販品11本、歯科専売品10本の計21本』になります。
市販品(11本)
- クリニカ【ライオン】ふつう・やわらかめ
- システマ【ライオン】ふつう・やわらかめ
- NONIO TYPE-SHARP【ライオン】やわらかめ
- NONIO TYPE-RICH【ライオン】やわらかめ
- NONIO TYPE-SMOOTH【ライオン】やわらかめ
- GUM【サンスター】やわらかめ
- GUM PRO CARE【サンスター】やわらかめ
- Ora2 me【サンスター】ULTRA SOFT
- ピュオーラ【花王】やわらかめ
歯科専売品(10本)
- Tepe セレクト【Tepe】soft・extra soft
- Tepe セレクト コンパクト【Tepe】extra soft
- Tepe コンパクト【Tepe】soft
- Tepe NOVA【Tepe】extra soft
- ルシェロ【GC】ふつう
- ルシェロ ピセラ【GC】ふつう
- プロスペックplus【GC】やわらかめ
- システマ SP-T【ライオン】やわらかめ
- BUTLER【サンスター】やわらかめ
評価した5項目
すべて実際に使用したうえで、次の5項目を5段階で評価しました。
- 毛の硬さ(ちょうど良ければ高評価)
- 毛のコシ
- 毛の量
- 持ちやすさ
- 奥歯の磨きやすさ
おすすめ歯ブラシランキング(全21本)
- 第1位 Tepe セレクト【Tepe】extra soft
- 第2位 Tepe セレクト【Tepe】soft
- 第3位 プロスペックplus【GC】やわらかめ
- 第4位 Tepe NOVA【Tepe】extra soft
- 第5位 BUTLER【サンスター】やわらかめ
- 第6位 Tepeコンパクト【Tepe】soft
- 第7位 NONIO TYPE-SMOOTH【ライオン】やわらかめ
- 第8位 Tepeコンパクト【Tepe】extra soft
- 第9位 GUM PRO CARE【サンスター】やわらかめ
- 第10位 ルシェロ【GC】ふつう
- 第11位 NONIO TYPE-RICH【ライオン】やわらかめ
- 第12位 システマ SP-T【ライオン】やわらかめ
- 第13位 GUM【サンスター】
- 第14位 NONIO TYPE-SHARP【ライオン】やわらかめ
- 第15位・第16位 クリニカ【ライオン】ふつう・やわらかめ
- 第17位 システマ【ライオン】ふつう
- 第18位 Ora2 me【サンスター】ULTRA SOFT
- 第19位 ピュオーラ【花王】やわらかめ
- 第20位 ルシェロ ピセラ【GC】ふつう
- 第21位 システマ【ライオン】やわらかめ
上位5本の比較表
まずは上位5本を一覧にしました。迷ったらこの中から選べば大きな失敗はありません。
| 順位 | 製品名 | 区分 | 毛の材質 | 硬さ | コシ | 毛量 | 持ちやすさ | 奥歯 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | Tepe セレクト(extra soft) | 専売 | ナイロン | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 2位 | Tepe セレクト(soft) | 専売 | ナイロン | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 3位 | プロスペックPlus(やわらかめ) | 専売 | ナイロン | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| 4位 | Tepe NOVA(extra soft) | 専売 | ナイロン | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 5位 | BUTLER(Ultra soft) | 専売 | ナイロン | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
※星の数は筆者が実際に使用した際の主観的評価です。4位・5位の一部項目は本文中の評価に基づく要約値です。
ここでひとつ、書いておきたいことがあります。
詳細欄の「毛の材質」を見てみてください。材質をまったく意識せずに順位を付けたにもかかわらず、上位の大半を「ナイロン毛」が占めました。これは自分でも驚いた結果です。歯ブラシを選ぶときの、ひとつの目安になるかもしれません。
各製品の詳細レビュー(1位〜21位)
ここからは1本ずつ、使ってみた率直な感想と5段階評価を書いていきます。すべて読んでいただいても、気になる製品のところだけ読んでいただいても構いません。
第1位 Tepe セレクト【Tepe】extra soft
毛の材質:ナイロン
毛の量が多く、ヘッドも大きめで清掃効率が高い。
しかしヘッドが大きい割に、磨きにくいといったこともない。
硬さもちょうど良く(2位のsoftもちょうど良く甲乙つけ難い)、言うことなしです!
価格は市販品と比べると高めですが、その価値はあると思います。
私の歯科医院でも、この歯ブラシと2位のsoftを採用することにしました。
毛の硬さ ★★★★★
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★★★
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
第2位 Tepe セレクト【Tepe】soft
毛の材質:ナイロン
1位のExtra softもそうですが、加熱するとヘッドの角度変えられるので自分に合った角度に調整できます。
確かに少し曲げると、奥歯が磨きやすくなりました。
ですが正直、ちょっと面倒なので最初だけしかやらないと思います。
やや毛が硬いですが、しっかり磨いた感が欲しい方はこっちの方がいいかもしれません。
毛の硬さ ★★★★☆
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★★★
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
第3位 プロスペックPlus【GC】やわらかめ
毛の材質:ナイロン
『ちょうどいい』がカタチになった、スタンダード歯ブラシ。
ですが、ブラシ部分に関しての妥協はなく、毛質・量・コシ・長さが絶妙。
これを選んでおけば間違いない、という歯ブラシです。
毛の硬さ ★★★★★
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第4位 Tepe NOVA【Tepe】Extra soft
毛の材質:ナイロン
ヘッド部分のトップが長く、奥まで届きやすくしています。
奥歯は非常に磨きやすいのですが、反面、咬合面(噛む面)が磨きにくいです。
持ちやすさにもこだわった構造をしているのですが、それも反面、指を置く場所が規制されてしまうので良し悪しです。
見た目がとっても可愛いです。
見た目の可愛さで言うと、今回調査した中で1位です(個人的に)。
毛の硬さ ★★★★★
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★★★
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★★
第5位 BUTLER【サンスター】Ultra soft
毛の材質:ナイロン
こちらも昔からある、王道の『ザ・スタンダード歯ブラシ』です。
毛の硬さに関して、Ultra softという割にちょっと硬めでした。
ですが毛の質がとても良いです。プロスペックよりもヘッドが小さいのですが、毛の量は同じです。
正直、甲乙つけ難いです。
持ちにくさはあります。
毛の硬さ ★★★★☆
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★☆☆☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第6位 Tepeコンパクト【Tepe】soft
毛の材質:ナイロン / ポリアミド
Tepeセレクトのヘッドのサイズが小さくなったものになります。
ヘッドが小さいので奥まで届きやすかったりするかと思いきや、普通のTepeのヘッドが三角形をしていて、トップ部分が小さいので、ただ単に清掃効率が低くなっただけのように感じます。
それでもお子さんや女性にはいいのかな?もしレギュラーヘッドのTepeが合わない方がいたら、こちらでもいいかもしれません。
ナイロンのものとポリアミドのもの、2種類存在しますが、後から聞いた話では"同じ物"ということでした。
毛の硬さ ★★★★★
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
第7位 NONIO TYPE -SMOOTH【ライオン】やわらかめ
毛の材質:ナイロン
市販品ナンバーワンはこちら!
毛の硬さ・コシ共に良く、毛の量も多いです。
コシが強すぎるのか、タッチが強めな印象はありますが、市販品の中では一番です。
ただ、毛の長さに凸凹を付けていて、ヘッドのトップ部分が短いので、奥が磨きにくいです。
毛の硬さ ★★★★★
毛のコシ ★★★★★
毛の量 ★★★★☆
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★☆☆☆☆
第8位 Tepe コンパクト【Tepe】extra soft
毛の材質:ナイロン
同じTepeコンパクトですが、extra softの方がランキングを下につけました。
ヘッドのサイズが小さい分、毛量が少なく、毛が柔らかすぎると磨いている感覚が弱くなるためです。
毛の硬さ ★★★★☆
毛のコシ ★★★★☆
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
第9位 GUM PRO CARE【サンスター】やわらかめ
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂・ナイロン
『ハグキにやさしく、毛ゴシで磨く!』
ちょっと毛が柔らかすぎて、毛ゴシと謳ほどではありません。
毛の材質が2種類使われているようなので、ナイロンの方でコシを補っているのかも?
ただ、毛量が多いため清掃効率は高く、ヘッドの大きさも使いやすいです。
歯周病対策にハグキのマッサージが主目的では困ります。しっかりと汚れ落ちが期待できなければ、歯肉の炎症は治まりません。
もう少しコシのある毛質であればグッドです。
毛の硬さ ★★★☆☆
毛のコシ ★★★☆☆
毛の量 ★★★★☆
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第10位 ルシェロ【GC】ふつう
毛の材質:ポリブチレンテレフタレート
段差植毛が特徴です。
ただ段差があるため、単純に毛先の部分の毛量が約半分になってしまいます。
細かいところは磨きやすいかもしれませんが、結局フロスを使うので、そういったところはフロスで磨いたほうがいいです。
そしてやや毛が硬いです。
段差があるので、これ以上柔らかくするとピセラのようになってしまうのかもしれません。
ヘッドのトップ部分が少し毛足が長く、奥に届きやすい構造です。
また、握りやすいグリップ構造になっています。
毛の硬さ ★★☆☆☆
毛のコシ ★★☆☆☆
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★★★
奥歯の磨きやすさ ★★★★★
第11位 NONIO TYPE-RICH【ライオン】やわらかめ
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂
ヘッドが横に広い独特な形をしており、これが思ったよりも磨きやすかったです。
毛量も十分にあったのですが、毛のコシが弱いです。飽和ポリエステル樹脂なのでこんなもんでしょうか。
毛の硬さ ★★★☆☆
毛のコシ ★★☆☆☆
毛の量 ★★★★☆
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第12位 システマ SP-T【ライオン】やわらかめ
材質:飽和ポリエステル樹脂
『細くしなやかでソフトな独自のスーパーテーパード毛』
ちょっと古めかしいデザインです。コシがある毛なのですが、硬さは柔らかいです。
歯周病用と謳っているので柔らかく作られているのでしょうが、もう少し硬い方がいいかな、と思います。
柔らかすぎると汚れ落ちが悪いんです。
ただ、柔らかいにも関わらずしっかりとコシがあるのは、さすがと思います。
ハグキの炎症が強い時にはおすすめです。
毛の硬さ ★★☆☆☆
毛のコシ ★★★★☆
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★☆☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第13位 GUM【サンスター】やわらかめ
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂
『軽い力で歯周プラークを弾き出す』
歯周プラークという言葉は初めて聞きました。
このシリーズは歯磨剤もそうですが、歯周病がターゲットです。
超先細と書いてあるので、毛先にテーパーが付いている極細毛になっているかと思ったのですが、そういうわけではありませんでした。
その点はグッドです。
ちょっとやわらかすぎるのですが、毛はある程度コシがあり、使いやすかったです。
毛の硬さ ★★★☆☆
毛のコシ ★★★☆☆
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第14位 NONIO TYPE-SHARP【ライオン】やわらかめ
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂
『しっかり毛先でスッキリ爽快に歯垢除去』
ブラシに色が付いており、持ち手も透明のおしゃれデザインでかわいいです。
見た目だけでちょっと買いたくなってしまいます。
極細毛ですが、その割にコシがある気がします。
これが『しっかり毛先』と書かれている所以かもしれません。
超先細とか書かれている商品のような、歯肉に刺さる細さではありません。
使ってみるとスタンダードな使い心地で、価格を考えるとバランスは良い気がします。
毛の硬さ ★★★★☆
毛のコシ ★★★☆☆
毛の量 ★★☆☆☆
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第15位・第16位 クリニカ【ライオン】ふつう・やわらかめ
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂
『極薄ヘッド 奥歯のさらに奥まで届く』
コンパクトタイプで、さらにヘッドの先端が細くシェイプしているため、キャッチコピーの通り奥歯を磨きやすくなっています。
Tepeと似たような構造ですね。
毛の硬さが「ふつう」と「やわらかめ」を用意しましたが、「ふつう」の方は硬すぎるので、使うとしたら「やわらかめ」です。
今回用意した「やわらかめ」のヘッドが小さすぎたので、ランキングは下の方になってしまいました。
スタンダードなサイズのヘッドで、この毛質であれば、ランキングをあと1〜2つくらい上げても良かったかもしれません。
グリップの設計が持ちやすく作られているため、操作性は良好です。
毛の硬さ ★★★☆☆
毛のコシ ★★★☆☆
毛の量 ★★☆☆☆
持ちやすさ ★★★★☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
第17位 システマ【ライオン】ふつう
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂
毛の硬さふつうなのに柔らかすぎます。コシも弱い。
極細テーパー毛なので、そこもマイナスポイントです。
毛の硬さ ★★★☆☆
毛のコシ ★★☆☆☆
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★☆☆
第18位 Ora2 me【サンスター】ULTRA SOFT
毛の材質:ナイロン
『先端密着毛 ミラクル毛』
毛先が分割してる独特なデザインです。ブラシというよりは、モップのような、布地で汚れを落とすイメージに近いです。
磨いた感じも今までにない感じです。
ですが、面で磨くことになりますので、細かいところまで磨きにくく、歯ブラシとしてはマイナスポイントです。
毛の硬さ ★★☆☆☆
毛のコシ ★☆☆☆☆
毛の量 ★★★☆☆
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★☆☆☆
第19位 ピュオーラ【花王】やわらかめ
材質:ナイロン
すみません、これは私のチョイスが悪かったのかもしれませんが、ヘッドが小さすぎて全然磨けません。
全部磨くのに、普段の何倍も時間がかかりそうです。
歯磨きが趣味の方にはいいかもしれませんが、やはり基本的には磨き残しが出ますので、ヘッドの大きさは適度なものを選びましょう。
毛の硬さ ★★★☆☆
毛のコシ ★★★☆☆
毛の量 ★☆☆☆☆
持ちやすさ ★★★☆☆
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
第20位 ルシェロ ピセラ【GC】ふつう
毛の材質:ポリブチレンテレフタレート
ルシェロよりもヘッドが小さくなっており、女性やお子さんをターゲットにしたものです。
女性が会社に持っていくことを考えられてか、ヘッドのカバーがついています。
毛の硬さは「ふつう」のものなのですが、やわらかすぎました。
『歯周ポケットに優しい極細テーパー毛を採用』と書いてありますが、やわらかすぎるのと、コシがなく、毛先が刺さって痛いです。
ヘッドが小さく、清掃効率が悪いです。
毛の硬さ ★☆☆☆☆
毛のコシ ★★☆☆☆
毛の量 ★★☆☆☆
持ちやすさ ★★★★★
奥歯の磨きやすさ ★★★★★
第21位 システマ【ライオン】やわらかめ
毛の材質:飽和ポリエステル樹脂
『ごっそりかきだす超極細毛』
パッケージを見た感じでは、歯周病の方がターゲットのようです。
使ってみると、毛のコシがない。
また、毛量が少なく、毛もやわらかすぎるため、汚れ落ちが悪いです。
磨いている感じがほとんどしません。そして歯肉がチクチクと痛い。
ただ、グリップが持ちやすく設計されており、ヘッドが湾曲していてコンパクトでもあるため、奥まで届きやすいです。
毛の硬さ ★☆☆☆☆
毛のコシ ★☆☆☆☆
毛の量 ★☆☆☆☆
持ちやすさ★★★★★
奥歯の磨きやすさ ★★★★☆
まとめ:結局どれを買えばいいのか
21本を使い比べて、いちばん驚いたのはナイロン毛の磨きやすさでした。材質を意識せずに順位を付けたのに、上位はナイロン毛ばかり。歯ブラシを選ぶときの指標のひとつにしてもいいかもしれません。
- とにかく良いものを → Tepe セレクト(extra soft/soft)。当院でもこれを採用しています
- ドラッグストアで買える範囲で → プロスペックPlus(GC・やわらかめ)、NONIO TYPE-SMOOTH
- 奥歯が磨きにくい → Tepe NOVA(extra soft)。ヘッドのトップが長く奥まで届きます
- 口が小さい・えずきやすい → Tepe コンパクト
- どれを選んでも、硬さは「やわらかめ」、交換は毛先が広がる前に
正直に書くと、今まで良いと思っていたものが比べてみるとそうでもなかったり、興味もなかったシリーズが驚くほど良かったりと、自分にとっても発見の多い企画でした。患者さんにお伝えできる情報が増えたのが、この記事を書いていちばん良かったことです。
なお、歯ブラシの種類はまだまだこんなものではありません。「この歯ブラシはどうなの?」というものがあれば、ぜひ診療のときに教えてください。
そして最後に、いちばん大事なことを。道具より磨き方の方が、はるかに結果を左右します。どんなに良い歯ブラシを使っても、当て方が間違っていれば汚れは残りますし、力が強ければ歯ぐきを傷めます。ご自身が実際に磨けているかどうかは、予防歯科の染め出し検査で一度確認してみてください。
よくある質問
歯ブラシの硬さは「やわらかめ」と「ふつう」どちらを選ぶべきですか?
当院では「やわらかめ」をおすすめしています。システマティックレビューでは、毛が硬い歯ブラシほど歯肉の傷や退縮が起こりやすいことが示されています。一方で、やや硬めの方がプラーク除去効率は高いという報告もあり、清掃力と安全性はトレードオフの関係にあります。歯ぐきを長期的に守ることを優先するなら、やわらかめを丁寧に、時間をかけて使う方が結果的に有利だと考えています。
極細毛(先細毛)の歯ブラシは使わない方がいいですか?
積極的にはおすすめしていません。先が細く尖った毛は歯周ポケットの内側を傷つける可能性があり、毛にコシがないため汚れも落ちにくく、へたるのも早い傾向があります。研究でも、毛先が丸め加工された歯ブラシの方が先細毛よりプラーク除去に優れ、しかも歯肉への傷は増えなかったと報告した試験があります。ただし歯周病治療中でポケット内の清掃が必要な方など、歯科医院の指示で使用する場合は別です。
歯ブラシはどのくらいの頻度で交換すればいいですか?
毛先が広がる前の交換が原則です。アメリカ歯科医師会(ADA)は3〜4か月ごと、または毛先が広がった時点での交換を推奨しています。摩耗した歯ブラシはプラーク除去効率が落ちることが報告されており、毛の素材によっては2か月ほどでコシが低下したという研究もあります。実際には1か月に1回程度を目安にし、毛先が広がったらその時点で交換してください。
市販の歯ブラシと歯科専売品では、どのくらい違いますか?
今回21種類を使い比べた結果、上位は歯科専売品が多くを占めましたが、市販品でも上位に入るものがありました(プロスペックPlus、NONIO TYPE-SMOOTHなど)。歯科専売品は価格が高めですが、毛の量やコシの設計が安定している傾向があります。ただし価格差ほどの決定的な違いがあるわけではなく、市販品でも条件に合うものを選べば十分です。
毛の材質(ナイロン・PBT)は選ぶときに関係ありますか?
今回の比較では、材質を意識せずに評価したにもかかわらず、上位の大半がナイロン毛でした。使用感としてコシが保たれやすい印象があります。ただしこれは筆者の主観評価であり、材質だけで優劣が決まるわけではありません。パッケージに材質が書かれているので、迷ったときの参考程度にお考えください。
電動歯ブラシに替えた方がいいですか?
手磨きできちんと磨けている方は、無理に替える必要はありません。Cochraneレビューでは電動歯ブラシが手磨きよりプラークを11〜21%多く減らすと報告されていますが、これは平均値であり、磨き方の質の方が影響します。当院では手磨きをメインにし、電動は週1〜2回の併用をおすすめしています。詳しくは電動歯ブラシの記事をご覧ください。
参考文献
- Ranzan N, Muniz FWMG, Rösing CK. Are bristle stiffness and bristle end-shape related to adverse effects on soft tissues during toothbrushing? A systematic review. International Dental Journal. 2019.
- Vieira DRP, et al. Combined effect of end-rounded versus tapered bristles and a dentifrice on plaque removal and gingival abrasion. Brazilian Oral Research. 2016.
- Van Leeuwen MPC, et al. Toothbrush wear in relation to toothbrushing effectiveness. International Journal of Dental Hygiene. 2019.
- Yaacob M, et al. Powered versus manual toothbrushing for oral health. Cochrane Database of Systematic Reviews 2014, Issue 6. CD002281.
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