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「自費でないと抜歯」と言われた歯を保険の根管治療で残した症例|セカンドオピニオン

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こんにちは!Hatch Dental Clinic 院長の平沼です。

「自費の精密根管治療でなければ、2〜3年後には抜歯になります」

他院でそう説明され、セカンドオピニオンとして当院にいらした患者様がいました。結論から書くと、その歯は保険診療の根管治療で、来院から2回で治療を完了しています。

今回はその実際の症例を、治療前後のレントゲン写真とあわせてご紹介します。

この記事の要点
  • 他院で「自費でなければ抜歯」と言われた歯を、保険診療の根管治療2回で治療し、治癒傾向を確認しました
  • 保険診療でも、ラバーダム防湿下で無菌的に処置すれば良好な結果が得られることがあります
  • 根管治療は「再根管治療」としてやり直しが可能です。1回失敗したら即抜歯、ということは多くありません
  • 当院はよく誤解されますが、保険診療も普通に行っています。高額な治療ばかりをおすすめすることはありません
  • ただし、どの歯にも当てはまる話ではありません。診断は歯ごとに必要です

症例:他院で「2〜3年後に抜歯」と言われた歯

近くの歯科医院を受診した際に「自費の根管治療(精密根管治療)でなければ2〜3年後に抜歯になる」と言われ、当院にセカンドオピニオンとしてお越しになった患者様です。

レントゲンを確認すると、根管が湾曲していて病変も大きい。正直なところ、精密根管治療を勧めたくなる気持ちも分かるケースでした。

ただ、それでも「根拠もなく抜歯になる」と断定して伝えるのは、歯科医師として無責任ではないかというのが、私の考えです。

患者様とじっくり相談したうえで、まずは保険診療での根管治療を選択しました。

治療前のデンタルエックス線写真。根尖部に大きな病変が認められる
治療前。根管が湾曲し、病変も大きい状態
根管治療直後のデンタルエックス線写真。根管充填が緊密に行われている
根管治療直後。緊密に根管充填ができている

保険診療でも、やることは変わりません

保険治療であっても、ラバーダム防湿下で無菌的な処置を行い、根管充填も緊密に行っています。ラバーダムは唾液や細菌の侵入を防ぐもので、根管治療の予後を大きく左右します。保険か自費かで、ここを手加減する理由はありません。

レントゲン上では治療開始から2〜3週間ほどしか経っていませんが、その短期間でも治癒傾向にあることが認められます。

根管治療の経過を示すデンタルエックス線写真

「一度うまくいかなければ抜歯」ではありません

この患者様は、まず保険診療で治療し、再発するようであれば精密根管治療を行うという意向でした。これは十分に合理的な選択だと思います。

根管治療は「再根管治療」として、何度か繰り返し行うことができるからです。もちろん、一度で治しきるのが理想ではあります。治療のたびに根管内を削る量が増え、歯そのものが弱くなっていくためです。それでも、うまくいかなかったからといって抜歯に直結することは多くありません。

保険と自費、どう考えればいいか

誤解のないように書いておくと、精密根管治療(自費)が優れていないという話ではありません。

自費の精密根管治療は、マイクロスコープやラバーダムを用いて、1本の歯に1回あたり十分な時間をかけて処置します。細部まで見える分、再治療率が低く、長期的な成功率を高めたい方には非常に有利な選択肢です。その分、時間と費用はかかります。

一方で保険診療には、費用が抑えられるという大きなメリットがあります。時間的な制約や材料・機材の制限はありますが、それは「治療の質を放棄していい理由」にはなりません。

どちらが正解ということはなく、大切なのは患者さんご自身が納得したうえで選ぶことだと思っています。

保険と自費の具体的な違い(CT・マイクロスコープ・ラバーダム・薬液・根管充填・処置時間・成功率)については、別の記事で早見表つきで詳しく解説しています。

→ 根管治療は保険と自費でどう違う?成功率・マイクロスコープ・ラバーダムの差を歯科医師が解説

※本記事は実際の症例をもとにした解説であり、治療効果を保証するものではありません。治療結果には個人差があり、すべての方に同様の経過が得られるわけではありません。根管治療には、再発・破折・処置後の痛みや腫れなどのリスクが伴う場合があります。治療方針は必ず個別の診査・診断のうえで決定いたします。

よくある質問

他院で「自費でないと抜歯になる」と言われました。本当ですか?

そう言い切れるケースは多くありません。保険診療の根管治療でも、ラバーダム防湿を行い無菌的に処置すれば良好な経過が得られることがあります。実際に当院では、他院で「自費の精密根管治療でなければ2〜3年後に抜歯」と説明された歯を、保険診療の根管治療2回で治療し、治癒傾向を確認できた症例があります。

ただし歯の状態は一人ひとり異なるため、実際にレントゲンを撮って診断したうえでの判断が必要です。判断に迷ったときはセカンドオピニオンをご利用ください。

保険診療の根管治療でもラバーダムを使ってもらえますか?

当院では保険診療でも、状況に応じてラバーダム防湿を使用しています。ラバーダムは唾液や細菌の侵入を防ぎ、根管治療の予後を左右する重要な要素です。保険・自費にかかわらず、必要と判断した場合には使用しています。詳しくはラバーダム防湿のページをご覧ください。

保険の根管治療は何回くらい通院が必要ですか?

標準的には2〜4回程度が目安です。根管の形態が複雑な場合や病変が大きい場合は1〜2回増えることもありますが、基本的には数回の通院で完了します。今回ご紹介した症例では、湾曲根管で病変も大きいケースでしたが2回で根管充填まで完了しました。

保険で治療して、うまくいかなかったら抜歯になりますか?

すぐに抜歯になることは多くありません。根管治療は「再根管治療」として繰り返し行うことができます。ただし治療のたびに根管内を削る量が増えるため、可能であれば一度で治しきるのが理想です。まず保険診療で治療し、再発した場合に精密根管治療へ切り替えるという選択をされる患者様もいらっしゃいます。

セカンドオピニオンだけの受診でも大丈夫ですか?

問題ありません。当院の患者様の約半数はセカンドオピニオンでご来院されています。治療をこちらで受けていただく必要はなく、診断結果をお持ち帰りいただいて、かかりつけ医とご相談いただいて構いません。

執筆:平沼 貴大(歯科医師・Hatch Dental Clinic 院長) 千葉県浦安市で「削る・抜く」から「守る・残す」へをコンセプトに、ラバーダム・マイクロスコープ・CTを用いた低侵襲かつ保存的な歯科治療を行っています。当院の患者様の約半数がセカンドオピニオンでのご来院です。歯科医師紹介はこちら →

「抜くしかない」と言われて、迷っていませんか?

浦安駅から徒歩2分。当院の患者様の約半数はセカンドオピニオンでご来院されています。治療をこちらで受けていただく必要はありません。まずは、その歯が本当に抜歯以外に方法がないのかを一緒に確認しましょう。

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